当初2Lで登場した911は、その後アメリカを中心に強まっていく排ガス規制に適合するため、短いスパンで排気量を増やしている。スポーツカーとしてのパワーを維持しながら排ガス規制をクリアするには、排気量アップが一番手っ取り早かったからだ。74年には3Lターボの930ターボが追加され、260psと当時としては絶大なパワーを誇ったが、翌75年にはカレラが3Lとなり、77年のマイナーチェンジでは全車3Lエンジンを積むようになる。
すでにポルシェの最大顧客はアメリカの富裕層となっていたが、74年モデルからは米国の基準に合わせた5マイルバンパーを装着。全幅とトレッドも広げられ、基本スタイルは変わらないもののナローボディとはちょっと違った雰囲気になっている。ちなみに930ターボはインタークーラーを内蔵する大型のバナナウイングを備えると同時に、ボディとトレッドも大きく広げられ、全幅は1775mmとナローボディより165mm幅広になっている。
トランスミッションは911デビューのときすでにオーバートップ付きの5速MTが設定されていたが、67年には2ペダルMTのスポーツマチックが設定されている。また、同時期に911のボディに210psのチューンドエンジンを搭載した911Rも限定生産されている。ボンネットやフェンダーを樹脂製に替え、内装材も省くことで200kg近く軽量化が図られたモデルで、レースやラリーに参戦するためのベース車として使われている。


