ロールスロイス社の創立は1906年とベントレーより4年ほど後のことだ。自らの手でクルマをつくり上げたエンジニアのヘンリー・ロイスと、貴族のチャールズ・ロースルの2人が組んでロールスロイスのブランドを立ち上げたのは有名な話だが、その06年には今も語り継がれる高級車、シルバーゴーストを完成。富裕層のステイタスシンボル的な存在となっていく。一方で第1次世界大戦では装甲自動車として使われるなど、その堅牢さにも定評があった。
戦後も世界中のVIPに愛用されていたロールスロイスはやがて日本へも上陸。パルテノン神殿をモチーフにした大型のラジエターグリル、その頂点に置かれたスピリット・オブ・エクスタシー(フライングレディ)がその風格を示し、かつてはめったに国内で目にすることはできなかったが、多くの人がその名を知っている。70年代以降のロールスロイスというとまずシルバーシャドウが思い浮かぶが、日本にも少なくない台数が上陸している。
いかにもクラシック然とした60年代までのファントム(当時はファンタムと呼んだ)やシルバークラウドに比べると、シルバーシャドウはモダンなデザインで仕上げられていた。ロールスロイス初のモノコックボディを採用し、サスペンションは自動車高調整機構を採用。V8の6.7Lエンジンを搭載し、当時のデータでは最高出力が220bhp、最高速度が115mphと公表されている。丸形4灯のヘッドライトはファントムVIから受け継いだものだ。


