国民車として生まれたVW ビートルは50年以上にわたって生産され続けたが、一方で小型FF車の傑作として59年に登場したミニも、基本コンセプトやデザインを大きく変えずに40年以上も生産されてきた。ずっとフォルクスワーゲンという企業で生産されたビートルに対し、ミニは英国経済の浮沈、生産メーカーの吸収・合併に翻弄(ほんろう)され、いくつかバッジを変えながらも、その基本デザインは全く変えずに時代を乗り越えている。
ミニの開発者として名高いアレック・イシゴニスが考案したFFレイアウトは、エンジン、ミッション、デフをすべて同じケース内に収めてしまおうというもので、今も多くのFF車がこの方式を踏襲している。もちろんミニも最終型までこの方式を続け、オイルもエンジンとミッションで共用。オイル量は多くなるがエンジン+ミッション単体は小さくできるため、コンパクトなボディでも十分な居住空間を得ることができたわけだ。
タイヤをボディの四隅ギリギリまで押しやり、さらにサスペンションの取り付けスペースを省くために鋼製スプリングの代わりにゴム(ラバーコーン)を使うなど、今考えても斬新と思われるアイデアがふんだんに散りばめられている。日本における最終モデルのサイズは全長3075mm、全幅1440mm、全高1330mm、ホイールベース2035mmと最新の軽自動車より小さいが、それでもヨーロッパで通用する室内居住空間をしっかり確保している。


