

1972年に誕生した初代シビックは、4年後に登場するアコードとともに、ホンダの屋台骨を支える基幹車種となったのみならず、ほぼ同時にデビューしたVWゴルフとともに、前輪駆動の2ボックスという"コンパクトカーの定義"を確立したモデル。それだけでも名車と呼ぶに相応しいのだが、1997年の6代目モデルに追加設定されたタイプRは、コンパクト・スポーツ、いわゆる"ホットハッチ"の究極として、エポックメイキングなモデルとなった。
スポーツモデルを仕立て上げるには、軽量コンパクトなボディにハイパワーエンジンを組み合わせるのが、古今東西のお約束。だから、本来1.2〜1.5リットルクラスのボディに、1.6リットルエンジンを搭載したこと自体は常識的な手法だったが、シビック・タイプRの場合は、エンジンそのもののチューニングが徹底していた。まるでレーシングエンジンをチューニングするように、熟練の匠がハンドメイドで仕上げたエンジンを搭載していたのだ。
シャシーに関しても同様で、サーキット走行を念頭に置いてサスペンションをセッティング。さらにボディ剛性を引き上げながら、グラム単位で徹底した軽量化を実施。究極の市販スポーツモデルに進化していた。シビック・タイプRはスーパー耐久などのツーリングカーレースで活躍。またワンメイクレースも企画されていた。
シビックのネーミングは市民の、あるいは大衆の、という意味を持ったCivicから命名。タイプRのRはもちろんレーシングの意味があり、このタイプRというグレードは1992年に登場したNSXのスポーツモデルに最初に冠され、以後インテグラとシビック、そして先代アコードのヨーロッパ専売機種にも与えられている。



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