登場から四半世紀を迎えるが、“バラスポ”の愛称で今も根強いファンに支持されているホンダのバラードスポーツCR-X。3代目シビックのクーペモデル、との位置づけで、このコンセプトは2代目、通称“サイバー”にも踏襲されている。ジャストサイズで、何よりハンドリングに秀でているのが人気の秘密。
だが、その一方で、燃費性能に優れていることも根強い人気の要因となっている。非常用と割り切ったリアシートは1マイルシート、つまり1マイル程度の近距離なら我慢できる、との意味だったが、犬も参る(ワンマイル)とやゆされたのは有名なエピソード。それも愛情表現の裏返しだったのかもしれない。
CR-Xの好燃費を支えているのは、やはり秀でた空力性能。単純にいってしまえば空気抵抗が小さいことにほかならない。そもそも空気抵抗は、空気抵抗係数×前面投影面積で表される。2ドアクーペで、空気の流れを邪魔しないようなシルエットでまとめられ、空気抵抗係数は0.33と、それだけでも高いレベル。
さらにライバルより一回りはコンパクトにまとまっていることも見逃せない。特に全高を1.3m以下に抑えていたから、前面投影面積も最小限にとどめられている。結果的に、実質的な空気抵抗は圧倒的に小さく抑えられていて、燃費性能だけでなく動力性能でもライバルに大きく水をあけることになったのだろう。
搭載されるエンジンは、当初は1500ccと1300ccの直4シングルカムだったが、後に1600cc直4ツインカムのZCエンジンが追加ラインナップされている。最高出力は135馬力で当時としてはクラス最高。後になってライバルもパワー競争に名乗りを上げ、最終的にはリッター100馬力の大台を軽々突破することになった。
ボディはリアにハッチゲートを持った2ドアクーペで、法規上は定員4人だが実質的には2人乗り。だが、そう割り切ってしまえばリアは十分なカーゴルーム。大きな荷物を抱えて2人で長距離を移動する。若いカップルにはありがちなシチュエーションだが、こんな場面では最大限に威力を発揮するはずだ。

