月販40台と日産 GT-Rの5分の1程度の販売目標にとどめたレクサス IS-Fだけに、07年の登録は9台のみだったが、デリバリーが軌道に乗った08年1月は112台を登録。GT-Rほどではないが、レクサスきってのスポーツバージョンを支持する人は少なくないようだ。766万円という価格も、ライバルであるBMW M3やAMG C63に比べるとお買い得ということなのだろう。
IS-FのFはトヨタのホームサーキットとなった富士スピードウェイの頭文字を取ったもので、このクルマの本領を発揮できるのはあくまでもサーキットというコンセプトも垣間見える。ヤマハチューンの大排気量V8エンジン、サーキット走行に備えてATFクーラーを標準装備し、ロックアップ状態で後輪をコントロールできるようにセッティングされた8速AT、連続したブレーキングに耐えるドリルドローターなどがその証しだろう。
レクサスの最高峰であるLS600hおよびLS600hLでは4WDを採用しながら、IS-Fはあえて大排気量FR車としたあたりにもこだわりを感じる。ハイパフォーマンスカーの本場、ドイツの雄であるBMW M3、AMG C63、ポルシェ 911はいまだに後輪駆動でのハイパフォーマンス化を進めており、4WDで統合制御を目指すGT-Rなどとは一線を画している。FRならではのドライビングの楽しさを追求していきたいという思いがそこにあるのだろう。
全長4700mm程度のミドルセダンに大排気量V8ユニットを詰め込むような日本車は今まで例がないが、それを高い次元でなし遂げたのがレクサス IS-Fの功績といえそうだ。まずは800万円近い高級スポーツセダンでそのノウハウを確立したトヨタが、より身近なセダンやスポーツクーペへとフィードバックさせてくるのか!? 若者のクルマ離れを阻止できるようなファンなクルマの誕生へつながっていくことを期待したい。



